どのくらいやればいいのか
まずは目安を知っておきましょう。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、大人に向けて、歩くことなどの身体活動に加えて、筋力トレーニングを週2〜3日取り入れることがすすめられています。
毎日でなくてもかまいません。週に2〜3回、それも10〜20分ほどでも、続けることに意味があります。最初から「週5回、1時間」を目指すと、仕事が忙しい週にすぐ崩れてしまいます。
続かない3つの理由と、その対策
| 続かない理由 | よくある状況 | 対策 |
|---|---|---|
| 時間がない | 残業や会食で、ジムに行く時間がとれない | 自宅で、道具なしで、10分で終わるメニューにする |
| 疲れていて気が乗らない | 仕事のあとは何もしたくない | 疲れる前の時間(朝や昼休み)にずらす |
| 効果が分からない | 2〜3週間で体重が変わらず、やめてしまう | 体重以外の変化(回数、姿勢、階段の楽さ)を記録する |
どれも意志の強さとは関係がありません。続けられる仕組みに変えれば、続けられるようになります。
1日10分のメニュー
道具がいらず、自宅で、スーツのままでもできる4種目です。それぞれの種目の間は30秒ほど休み、全体を2周すると10分ほどになります。
- スクワット(10〜15回):足を肩幅に開き、椅子に座るようにお尻を後ろに引きながら、太ももが床と平行に近づくまで腰を下ろす。膝とつま先の向きをそろえ、膝が内側に入らないようにする
- 膝つき腕立て伏せ(8〜12回):膝を床について、頭から膝までを一直線に保ったまま、胸を床に近づける。慣れてきたら膝を浮かせる
- ヒップリフト(10〜15回):あおむけで膝を立て、お尻を持ち上げて、肩から膝までを一直線にする。お尻の筋肉を意識して、ゆっくり下ろす
- プランク(20〜30秒):うつぶせで両肘と、つま先(きつければ膝)をついて体を一直線に保つ。お尻が上がったり、腰が反ったりしないようにする
下半身の大きな筋肉(太もも、お尻)を使う種目を入れておくと、短い時間でも全身をしっかり使った感覚が得られます。回数は目安です。最後の2〜3回が「少しきつい」と感じるくらいがちょうどよい強さです。
フォームで気をつけたいこと

- 反動をつけず、下ろすときもゆっくり動かす
- 力を入れるときに息を吐き、呼吸を止めない
- 痛みを感じたらすぐにやめる。腰や膝に持病がある人は、始める前に医師に相談する
習慣にするための仕組み
「いつ、どこで」を先に決める
「時間があったらやる」では、時間はまずできません。「朝、コーヒーをいれる前に」「歯をみがいたあとに」のように、毎日必ずする行動のあとに筋トレを続けて行う、と決めてしまいましょう。行動のきっかけを決めておくと、迷う時間がなくなります。
習慣になるまでの期間を知っておく
ロンドン大学の研究では、新しい行動が習慣として定着するまでに、平均で66日ほどかかったと報告されています。人や行動によって差が大きいことも分かっていて、1日休んだからといって、それまでの積み重ねが無駄になるわけではありません。「2か月くらいは意識して続ける時期」と考えておくと、焦らずにすみます。
小さく始めて、少しずつ増やす
最初の2週間は、4種目のうち2種目だけでもかまいません。「物足りない」と感じるくらいで終えるのが、次の日も続けるコツです。慣れてきたら、回数を増やす、2周を3周にする、プランクの時間を延ばす、というように、少しずつ負荷を上げていきます。
記録して、変化に気づく
続けるうえで大きな力になるのが記録です。
- カレンダーやスマートフォンのアプリに、やった日に印をつける
- 種目ごとの回数を書き留める(スクワット10回が15回になった、など)
- 月に一度、体重だけでなく、ウエストのサイズや姿勢の写真も残しておく
筋肉がついても、すぐに体重が減るとは限りません。回数が増えた、階段で息が切れにくくなった、夕方の腰の重さが軽くなった。そうした小さな変化に気づけると、続ける理由が自然に増えていきます。
食事と休養も忘れずに
筋肉は、トレーニングのあとに休んでいる間に回復し、強くなります。同じ部位を毎日追い込むより、1日おきくらいのペースのほうが、体にとっては効率的です。
食事では、筋肉の材料になるたんぱく質を意識しましょう。肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などを、毎食ひとつは取り入れるのが手軽な方法です。睡眠時間をしっかり確保することも、回復には欠かせません。
まとめ
- 目安は、筋力トレーニングを週2〜3日
- 自宅で、道具なしで、10分で終わるメニューから始める
- 「いつ、どこで」を決めて、毎日の行動とセットにする
- 習慣になるまでは2か月ほど。1日休んでも気にしない
- 回数や体の変化を記録して、小さな成長に気づく
一人で続けるのが不安な人や、体の痛みが気になる人は、トレーナーに見てもらうのも一つの方法です。整骨院の知識を生かしたプライベートジムについては、Dand.Aの記事でも紹介しています。


